第三話「ランディとペッチョはパーティの準備で忙しい」

 オープニングテーマ収録のパラダイスランチのマキシシングルが微妙で哀しい。
 演奏が覇気のないタワーオブパワーみたいなのは仕方ないとしても、コヨーテラグタイムショーのOP並みに聞き手の傾聴意欲をそぐボーカル入りトラックがあるのが哀しすぎる。
 
 閑話休題
 列車編とマフィア編とあとなんかいろいろと本格的にごちゃごちゃとシャッフルしだしたが、年代表記が出ないところでも時制が前後しているのは、どうなんでしょ。第一話は「紹介編」という役回りだったから、どの場面がどの時制に属しているのかわからなくても問題なかったけど、本編まで同じ調子でやられるのは困る。千九百三十一年と明示したならその中での時間の流れは一貫してくれないと、何のためにクレジットがあるのかわからない。数分後ごとにテロップを入れたくないならシナリオ構成をかえればいいだけの話だし、たんなる韜晦趣味なら鬱陶しいだけである。 小説じゃあないのだから何度見返して理解しろというのも、なんかおかしいしね。録画あるいはDVD購入前提で作ってるのかしら。パズル的な複雑さと無秩序による混乱は別物なのだ。

 そんなわけで内容についてはほとんど何もいえない。狂信者と藤原組と刺青チームの三すくみホールドアップのシークエンスなどがいい例だが、場面場面ではいいシチュエーションだったりするのに、視聴者に物語のつながりの整理と理解を優先して要求する構成のせいで、いまいち盛り上がらないしね。前回みたいに普通に進行していたらもっとわくわくできたような気がする。

もっとも、物語の語られ方が物語にふさわしい語り方であったかというのは、最終的になにがやりたいのかが見えてこないと判別できないので、こういう構成が失敗だとは一概には言えないのだが、毎週一回の「ショー」としては微妙なところではある。

 ひとつだけシナリオ面で気になったのは、マフィアの若衆(まだ不死者になってない?)が、謎の女に会うところで、女がべらべら「人を探しているので……」とか口走るのは、展開上あそこでフィロが彼女に気をとられないと始まらない場面とはいえ、ギャルゲーアニメによくある、初対面でフルネームを名乗るヒロイン達なみに不自然で違和感がありまくり。実は一種のハニートラップなのかな?