第一話「狼と一張羅」

 おおかみがみっの話。タイトルも狼だし、作中でも何度もそう繰り返されているにもかかわらず、耳のつき方のせいか、華奢な体つきのせいか、妖狐のようこさんよりも狐に見える。変身後の犬神モロの神みたいな姿とつながらないのは、その落差がポイントでもあるのだから問題ないのだが。
 さて、お話のほうはというと、OPの雰囲気からすると道中ものっぽく、現時点でのお題である。狼に逃げられつつある村と、CODE-Eに続き当て馬ポジションな名塚キャラがどうなるのかというのは完全に次回しだいなのでなんともいえないが、話の進め方は手堅い。ただし、わりとシビアに設定してそうな中世ヨーロッパ風世界観の下、これ見よがしな陰気話も、ポジティブすぎるハッピーエンドも、作品のムードを台無しにしかねないから、重すぎず、軽すぎず、といったバランスの結末を探るのは結構難しそうではある。でもまあ、原作はわりと評価の高い作品らしいから、その辺はあまり心配しなくてもいいのかもしれない(優れた原作と黒田和也の取り合わせでは、クロノクルセイドというとても苦い前例があるがそれはともかく)。
 もっとも、原作も知らないのに妙に違和感のある主演二人のせいで、作品のムードはすでに台無しという言いかたもできてしまうのは、ちょっと残念。小清水亜美の花魁言葉はいまいちのりきれてなくて、こういうのならゆかなのほうがはまってるのでは、と見てる間じゅう思ってたし、福山順は声の若いおっさんなんだか、ものすごい老け顔の学生なのか、という感じで、その中間にはまったく見えない。見ていくうちに慣れるかな?