さよなら絶望先生と並んで「好きな作品だがアニメ化は無理だろう」の一品だったのだが、さよなら絶望先生に続いてアニメ化されてしまったのだった。

スタッフ的にはいかにもな、『ARIA』の関係者による、のどかな音楽をバックにまったりとした雰囲気を垂れ流す、いい意味で何にもない作品に仕上がっていたのだが、絶望先生ほど喜べないのは、全体にアリア風にしすぎ、というか、ようするに「いい話」にしすぎなところが、いささか気になったから。もっとなにもないのがスケッチブックなのだと思うのだ。梶原空は最初から最後まで変わる必要はないのだ。ちょっと前向きになったりしなくていいのだ。最後もやっぱりスケッチブックに書いた名前で挨拶すればいいのだ。
アニメとして、なんらかの起承転結をつけたいという気持ちはよくわかるし、それはそれなりうまくいっているとは思うけども、それをスケッチブックでやる必要はないのだ。四コマなのに起承転結がろくにない、それがスケッチブックなのだ。

あとこれは致し方ないことかもしれないが、麻生さんの役の人の九州弁がいまひとつ。いかにも、脚本に書かれた文字のとおりに読んでます、という訛り方で、生きた言葉になっていない。同時期に始まった『神霊狩』の方言がかなり自然(に聞こえる)のとは対照的なのだ。あっちはかなりキャリアのある人を集めてつくっているので、比べるのは酷な話ではあるけども。

とはいえ、読んでてどんどん脱力してくる原作の雰囲気自体はうまく伝えられていることは間違いない。正直に告白しますが何回か寝ました。これはいうまでもなくほめ言葉。うん。第二期があったらやっぱりみてしまうだろう。うんうん(自己完結)。