第一話「メガネの子供たち」

 学園戦記ムリョウ絶対少年に続いてNHKがお金に糸目をつけずに送り出すSFアニメ。レトロ&ノスタルジックな雰囲気が共通しているのは偶然なのか、そういうシリーズなのか(少年SFシリーズのアニメ版的なコンセプトなのだろうか?)。
 電脳関係のテクノロジーがちょっと変わった方向に進化した近未来を舞台にした話で、そういう世界であることを言葉では説明せずに「その世界の日常」を丁寧に追うことで、描き出していく。SFなんかではそれこそよくある手法だが、「皆様のNHK」でやるのはいい度胸である。いや、視聴者をまったく馬鹿にしないつくりというべきか。マニアックで視聴者を限定しかねない手法だが、本放送はぶつぎりで、「あのね……」で中途半端に終わろうが、サイドをカットしてようキャラが見切れまくろうが、エピソード中抜きだろうが、所詮CM――DVDの販促なので問題なし、というようなコアでマニアな層向けの深夜アニメよりもはるかにまじめに、視聴者と向き合っている。ちゃんと見れば、ちゃんと理解できるのである。
 とはいえ、今のところ海のものとも山のものともつかないのも事実。パステル調の町並みの魅力と、キャラ萌えがなければ、続きを見ようとは思わなかったかもしれない。

 そう、キャラ萌えである。オヤジが超かわいい。立ち上がったときの腰のひねり具合やお辞儀の仕方、電脳空間へはいるときにいったん立ち止まって体を横にして片足づつ入れたりといった、細かいしぐさの一つ一つが実によろしい。
なんとなく少女化したのび太という印象がある折笠キャラや探偵局の人とかも普通にかわいらしいけども、オヤジのかわいさには勝てない。まあ、宮崎駿にとっての「豚」と同じように、作者の投影であるのはまちがいないし、そう思って見ると、いささかくすぐったい感じもあるのだけど、いざ動いている姿を見ると、そんなことはどうでもよくなってしまう。エンディングを見るとマスコットキャラとしてそれなりに愛されているように見える犬(絶対少年における猫のポジション)よりもはるかにかわいいのだから、ただごとではないと思います。

 当面の敵と思われるサッチーは、冬目景の「ゼロ」に出てきた殺人機械を思い出した。まねというのではなくて、郵便ポストとか政府関係のマスコットキャラのイメージをSF化するとああいうものなると言うことなのだろう。

ペットの中に入った黒いものは、そのままペットと混ざってペットがしゃべりだす、みたいな展開になるんだろうか? 当然声はスニフの声である。