第三話

第三話だが第二話である。っていうかこれ、前後編を一緒にして、隔週でもいいから五十分番組として放映したほうが見やすいし、作品の魅力も伝わりやすいのではなかろうか。ストーリーは格別複雑なものでもないが、実写ドラマに近い細かい芝居付けやニュアンスに重きを置く台詞回しを活かした世界構築と、七日というささやかだが確実にある忘却&冷却期間とはあまり相性がよくない気がする。まあ、こちらで二話づつ溜めて見ればいいだけの話なんだけども。

構成に対するいちゃもんはこのあたりにしておいて、今回の御題はパイロキネシスファイアスターターである。たぶん。
魔震との遭遇のせいだけでなくそもそもコミュニケーション能力や他人を思いやる能力が低そうなおっさんとなんだかんだで人に希望をもってしまうけなげな子供の対比がうまい。そして、その本質的に無邪気なヒロインの弱い心につけいる李くんの性格悪さが素敵だ。

話としては次回予告で予告しているとおりに、そして横溢する魔界都市ブルーステイストが暗示するとおりに、悲劇に終わりそうだが(これもまた一話完結ならまだ、後味が悪くても我慢できる、ということは出来るかもしれない……)、主人公サイドの飄々としているようで底暗いノリとあいまって、どこまでも悲惨に終わるのか、すこしは救いを見せて終わるのか、そのあたりが見所だろうか。話としては、どっちもありだが、前者をかっこよくやれればかなりの腕前と言えるし、後者ならば手堅い作り手ということになる。もちろん、前者でかっこよくできたと作り手がおもっているだけ、という悲惨な(ドラマの内容とは違う意味である)末路もありうるわけだが。

とりあえず今のところは猫がちゃんと猫でかつ可愛らしいので良しとしたい。どうやって遊園地の明かりをつけたのかは、まあなんというか猫や水読みの人形娘風のタバコ屋さんががんばったのでしょう。