第三話

 このアニメは『瀬戸の花嫁』ではない。『瀬戸の花嫁の父』だ!
 と冒頭部を見て思ったのだが、本編はそうでもなく、前回ちょろっと書いた、休みが終わったらどうなるのか――ようするに東京編への布石と、新キャラ紹介なのだった。えーと、このなんでも「ですぅ」をつける、裏表あるキャラは、アリスゲームに参加していませんでしたか。まあ、あちらの桑谷夏子とちがってこちらの桑谷夏子は主人公に本を読んでもらいたがったり、自分を膝に乗せることに許可をだしたりとかはあまりしなさそうですが。

それにしてもいくら命のかかったガチバトルであっても、貝殻と離れている瞬間を狙うとか、貝殻を破壊するとかそういうことをしない主人公は紳士ですね。もっとも、新幹線にへばりついたお父さんを窓を叩いて突き落としたりするあたりは、ずいぶんとずぶとく、容赦なくなったものです。慣れというのは恐ろしい。

前回のときもおもったけど、台詞「だけ」エロは、もしかしたらさりげなく売りであったりするのかもしれないけど、まったくエロくないのがいいですね。桃井はるこの寝ぼけているような声のせいなんだろうか。

まあそれはともかく、瀬戸内海編がこれで終了っぽいので、パパとマサさんはもう見納め? 寂しくなるなあ。
いや、親父さんはともかく、マサさんがらみはいささかしつこかったので、たまの出番でいいかなともおもうけど(サンの「任侠と書いて〜」と同レベルでくどいパートだ)、これでOPにも出ていたヒロイン2が出てきて、よりハーレムな感じになるのはどうなんだろうか。

そうそう、マキの台詞「血涙」と、お父さんの目から出ている血の涙とが、放映上の規制のせいで、最初なんと言っているのか、そしてなんのことを言っているのか、よくわからなかったのは困った。白く光り輝いているだけならば、溢るる熱い涙の誇張表現みたいである。同じ血でも鼻血は出し放題なのにねえ。鼻から出るのは、生理現象の範疇で、目から出るのは「出血事故」ということになるんだろうか。放送コードにとらわれすぎて、話が意味不明になったら放送自体に意味がなくなってしまうではないか。杓子定規で作品を殺してしまうとは、血も涙もない所業である……おあとがよろしいようで。