第三話

 合体は、男にも女にもロマンである、という第三話(シモンやカミヤたちはいざ知らず、ヨーコが、男と女、男と男のどちらの合体を連想したかは知りませんが)。
 
 ストーリー的には、いってみればここまでがグレンラガン誕生編で、ビッグプロローグといったところ。おそらく十三話目であたりで決着がつきそうな敵との初対決の回でもある。いにしえの巨大ロボットアニメの敵みたいに「ワル」で、単なる「乗り越えるべき巨大な障害」といったキャラの存在というのは、物語を主人公サイドの集中させたいときにはとても便利というのがよくわかる。

メインのバトルシーンは、お家芸な爆発や、派手な構図と実に元気。

ヨーコはどうみても、主人公が憧れるが手が出せない(せいぜいおでこにチューしてもらえるぐらい)先輩の彼女キャラである。カミナが退場したら(その後シモンに託されそうなマントとか、いやな状況証拠が増えている……)、一緒にいなくなってしまうか、急につまらないキャラになりそうでもある。

それにしても主人公にうじうじさせるのはここらでやめにしてもらいたいところ。エヴァンゲリオンが作品的に重要だったのは、主人公がうじうじするのが素晴らしかったからなのではなく、うじうじするということを作品のテーマとして、直球でぶつかったからなのだ(そして成功したかどうかは別の話)。
シモンのうじうじは物語の中心にあるわけでもないし、作り手にとってのテーマでもなく、ただ、進行を停滞させる要因でしかない。ミレニアムファルコン号が毎回ここ一番のピンチに限って故障するという類の繰り返しギャグレベルの話を、しつこく描写されても困るのである。え? この物語は、シモンの人間的な成長がテーマ? しったことではありません(気持ちとしては、ヨーコと同じである。なんでカミナが主人公じゃないのかね)。

 ぬいぐるみチックな野生動物のデザインはちょっと面白い。あと、おかまのキャラ立てがいい感じ。