第二話「追いかけられて、婿殿」

のっけからいぬかみを思い出す濃厚な男祭りだが、いちおう藍蘭島に男のいないわけの説明である――まあ、いささか無理のある説明だが(*)

話のほうは、序盤の割りとまったりとした語らい――ヒロインの餅の食い方と得体の知れない計算違いをするくだりがいい――から、中盤以降はスラップスティックな鬼ごっこ、という構成で、前回ちょっとやった内容の拡大増補版というだけの内容である。
というか、このアニメはようするにこれしかやることが実はないのかもしれないですね。ヒロインとののんびりとした交流(プラスちょいお色気)か、にぎやかなアクションコメディか。

しかし、この手の話は、ワンパターンでも、ネタが乏しくても、きちんとキャラクターを立ててギャグで転がし続けていさえいれば、それでいいのだろう。今回の鬼ごっこにしても、誰が勝者になるとか、いつそれが決まったとかはなんのひねりもなく、すぐに読める展開なわけだけど、それはべつに欠点というような印象はない。水戸黄門に意外性を求める人はいないのである。ともかくも、二話目において、このシリーズの見せかたは確立しているようにみえるから、いまのところはこれを持続できれば、大成功と言えるだろう。
成功する道筋が明確であるというのは、この作品の場合、逆にこういうこともできる。失敗する道筋も明確あると。
ようするに、中盤以降、話をまとめるためか、マンネリを避けてかで、フォーマットを崩し始めたり、シリアス調をいれてきたときにどうさばくのか、ということで、その際、この作品のスタッフの真の作品観が問われることになるはずである。

どうか、へんな勘違いをしてませんように。

あ、そうだ、エンドカードのすずの首が折れてるのは、ちょっと怖かったです。
それにしてもこの島は本当に地球にあるのか。ガラパゴス島より特殊進化をしているぞ。


(*)男の乳幼児も全部連れて行ったというのかという話ですね。あるいは、「たまたま」当時は男の乳幼児が一人もいなかったのか。どちらにしても無理がありすぎである。