第一話

 なんか、純粋培養のギャルゲーっぽいアニメで、しかも、深夜に自動販売機をガンガン蹴り飛ばす女、誕生日の祝いに自分の写真撮影のために病室を飛びでていきに戻ってこない男、一応はプレゼントであるものをゴミのように投げ捨てる女、物探しのために空き缶の詰まったゴミバケツをひっくり返すおっさん、ゴスロリな格好をしてダンボールの中で寝る女、パンツの見えそうなシチュエーションに自分でしておきながらパンツを見た相手の顔面を踏む女――と、現実にはちょっとお友達になりたくないような人々がぞろぞろ出てくる……これはかなり怖い話だなあ、と思ってみていたのだが、なんとヴァンパイアものとは。

 なるほどこれなら、キャラがおかしくても問題はないですね。すくなくても、ヴァンパイアハンター藤原啓治と、その「主人」風の少女、深夜の器物破損未遂の能登眞美子はおかしくてもいい。お姉さんも、家族ならではの遠慮のなさと入院疲れということでまあ、理屈はつく(ショートカットの幼馴染もツンデレということで)。

しかし、それでも主人公は駄目なことには変わりないのだった。うーむ。

話のほうは、中盤の主人公と吸血鬼の会話からすると、「さわやかで切ない出会いと別離」みたいな方向でまとまりそうだが、そこにいたる展開は、というとやはり、日常の中にファンタジーキャラが同居して、基本ラブコメで時折そっち方面の展開が、というこの手のゲームの王道パターンになるんだろうか。