第一話

 瀬戸内海といえば、人魚ではなくて、鵺が泣く夜が恐ろしかったり、キチガイじゃがしかたなかったり、という印象なのだが、これはもちろんそういった猟奇殺人展開とは無縁の、ラブコメ、それも平たくいってしまえば、人魚版『うる星やつら』なのだった。
 ただし、主人公のキャラが件の先達とはまるで違うし、ラムちゃんキャラ(声優の人の演技がかなり微妙)の性格も違うので、雰囲気も違うし、今後の展開もたぶんちがうだろう。

今回の感じからすると、お色気系ではなくて、わりとまったりと二人の「見合い結婚」から始まった関係の変遷を描いていく気配があるので、うる星というかこの手のもののフォーマットどおりに、次々とサブヒロインキャラがでてはきても、あまり恋愛騒動的な展開は少ないのではなかろうか。おもに騒動の要因は組長関係ではないかという気がする。

 内容的には対したひねりはないが、微妙に漂うホモ漫画臭が少年漫画と少女漫画のボーダーをいくガンガン系の雑誌掲載、という出自ををうかがわせないもこともない。
 
 ロケーションがそもそも風光明媚なこともあるので、変にシリアスぶったり、テンションをあげすぎずに進行すれば、けっこう楽しく見られそうである。