第二十五話「愛しのアヴェマリア」

 「柚木先輩。もし私が予定通り早起きして学校に行ってたら、ずっとあのかっこつけポーズのまま待ちぼうけになってしまったのではないですか?」
 「馬鹿だなカホコ。おまえが早起きしても間違いなく出会えるように、余裕をもって待機していたんだよ。ちなみに車は横で待たせてあった」
 「……」


さて、最終セレクション。日野さんの演奏まで、こころが休まることが無いですね。その日野さんの演奏が、まさか普通に完奏してしまうとは思わなかったですが。

ほかの人の演奏パートは、演奏シーンをバックに日野さんが回想。最終回らしい演出ですが、普通すぎて面白みにはかけたかもしれない。回想と演奏時間の長さからして月森土浦のツートップは確実、というのがわかったのは、あるいは貴重であったかもしれませんが。

真のクライマックスは、スレラクインテッツによる、フォー・ザ・カホコ演奏会。途中、も詩や最後は五人が例の歌を歌うんじゃなかろうなと戦々恐々としていたのですが、とりあえずうたわないでよかった良かった。その代わり五人五様の「カホコ……」攻撃があったけども(月森と土浦がちゃっかりカホコ呼ばわりしてるのが楽しい)。

終わり方はいまいち消化不良。日野さんが誰ともくっつかないのはいいのだが、セレクションの結果まで曖昧にするのはどうなんだろう。演奏は順位をつけるものではない、というのはまあわかるのだけど、それは「順位をつけられても」気にしない、という形でやってもいいのだから。単に第二期への引き、というよりは本来エピローグ回だった「第二十六話」が放映できなくなった、というような理由である気がするが……(最終巻につく新作オリジナルエピソード、とはようするにそういうことことである)。

でもまあ、最後まで気持ちよく見ることができた作品でございました。魔法のバイオリン設定がもう使えないので、今後の展開はやや難しそうだが、第二期にも期待。