第五話

ハンストの顛末と、ロケットの発射まで。

うーむ。
普通に空想科学ロケット開発秘話にしてくれればいいのになあ。

ゆかりママの説得がわりと普通だったのは良かったけれど、それと同じあっさりとしたノリで、ゆかりの初打ち上げをやってしまったのはどうなんだろう? ゆかりの宇宙飛行士としての初仕事であり、基地の人にしてみれば、長年の夢の一つの達成である大イベントであるのだから、もっと見る側にその高揚と緊張を伝わるような演出を見せてほしかったところ。好意的に解釈すれば、あの淡々としたノリは、たとえば、ロケット打ち上げもののアニメの先達、『オネアミスの翼』がそうだったような、あのまだまだ宇宙が遠かった八十年代的な感覚とは違う、より宇宙と科学が身近になった世界におけるロケット打ち上げに携わる現場のあり方の提示であったのかもしれないけども、人や世界も、変わったところもあれば、変わらないところもあるわけで、そのあたりで距離感を計り損ねているように思う。

そしてやっぱりむかつくのが大人たちである。というか、今回ゆかりの父親がピンポイントで外道である。「呪いでニュージーランドへ」というのはギャグのつもりなんだろうが、笑えない。これはもちろん、「呪い」が実際に効いたかどうか、という話をしているわけではない。そういうことを願う心理状態が度し難いのである。いったい、ロケットに何が乗っていると思っていたんだろうな、この糞親父は。
発射延期をしていることもわからないノータリンなのか、実の娘が死んでもいいと思っている奴なのか、ともかく不快である。このおっさんをロケットに積み込んで宇宙に飛ばしてみればいいと思います。
そういえばこのおっさん、ロボットみたいな無感情な目つきが所長とまったく同じだな。

次回はサスペンス展開、のはずだが、さすがに今回みたいに、淡々粛々と進行することはない……よね?