第二十三話「呪いの家#2」

ナルは寝たまま、かわりに坊さんがリーダーシップを発揮するという話。そして、そういえばここでも親がいない名塚香織。まあこちらはコゼットとは比較にならないぐらい恵まれてますが。

その麻衣は今回退魔師の才能があることが判明。最初はどこにでもいる普通の人だった主人公がシリーズが進むにつれて「秘められた才能」に目覚めるのは、よくある話だけど、すでに夢見能力もあるから、あとは除霊術を習得しさえすれば、一人でも立派にゴーストハンターとしてやっていけるのではあるまいか。知識と経験はいずれなんとかなるだろうし。

しかし今回の敵の動機もまた怨念なのだろうか。せっかく「善も悪もない霊場」であるとか、「海から来るもの」(*)といった、面白げな題材がそろっているのだから、単なる悪霊退治に終わらない展開を期待したいところ。
 もっとも、前回いちばん面白くなりそうに思えた「妖しい子供が二人」ネタがおそろしくあっさり解決してしまった(子供がにやりと笑って声が変わるところはちょっとよかったけど)という悲しい現実もあるので、あまり過大な期待をかけないほうがいいのかもしれない。

時にこのたぶん最終エピソードにおいて、坊さんの髪形が変わった理由は果たして明かされるときが来るのだろうか? そして、麻衣の服に書かれていた「EROTIC EMPEROR」(と書いてあったと思う)の意味は果たして……。

(*)このクトゥルー神話的タームを上手く使った作品というと映画版の『リング』がありますね。あのくだりは、貞子が出てくるシーンなんかよりよっぽど不気味でよかった。