第十一話

 「未来の記憶」の意味がはっきりする。妙なところでSF的に凝る作品である。
ストーリー的には前回の兄の回想のフォローアップと、最終決戦直前まで。銀河と過去未来の時空を巻きこんだ戦いの鍵を握る、スケールの大きな展開のようでいて、単なる兄妹喧嘩みたいだったりする、微妙な小品感覚が素敵である。
しかし規模の大小にかかわらず、話は立派に盛り上がる。

敵味方双方その信条と目的が明確で、それが真正面からぶつかり合うという、それこそオペラ的にメリハリの聴いたドラマがきちんと構築されているからだ。つまり本作は宣伝文句にあるとおりスペースオペラなのだが、、それはイメージとしてのスペースオペラでなく、いうなれば、宇宙を舞台にした「オペラ」という意味でのスペースオペラなのだった(まあたいした違いはないけど、設定構築や小道具の使い方はわりとハードSFより。ハードというには細部がソフトすぎるというのはまあいわないでおく)。

次回は丸々バトルで、その次で贖罪や和解関係かな? さて何人生き残れるのだろうか?