第四話「プロモでゴー」

 プロモには音をつけるべきでした。出来れば歌つきで。「わーたーしー、まーなーびー」(デュエット相手はもちろん若本規夫

 というのはともかく、学園祭を盛り上げるには、イメージ操作だ、とプロモビデオを作るという話。CMで学校が盛り上がるなら、公共広告機構が頑張れば学校改革は完了ですな。教育基本法をいじくれば変わるということでもないが、CMで扇動というのも話としてどうか。それも九十年代初頭のP−MODELのプロモーションビデオでもやらなそうなしょぼいCGで感動するのか?。

 それにしても冒頭の回想シーンが回想に見えなくて、作中でいつの出来事か特定されるまで非常に困りましたな。というか、あれが二ヶ月前の出来事、といわれても納得します。
 また、その事件がメイにとって大きなトラウマになっていたということが中盤明らかになるわけだけど、「信頼ではなく責任の押しつけとしての委員長推薦」というのは吐くほどのトラウマ要因としてはちょっとよわい。その実害も掃除を一人でしなくてならない、だけしか描かれてない(それも体育会系がちゃんと手伝ってくれている)ので、よっぽど過保護に育った小学生だったのかなあとか、どうにも彼女の「不幸」に感情移入しにくいシナリオになっております。ようするに彼女がそれなりに信頼しているキャラとしての体育会系という立ち位置の提示とトラウマの発生要因をを同時にやりたかったのだろうが、虻蜂取らずであった。

 そんな感じでドラマの核心部がへろへろなのでそれを礎にした展開が盛り上がるはずもないのだった。

 大団円に向かう流れも、たとえばパソコン関係では自分の(?)ものにカメラが仕掛けてあるのはなぜとか、ネットにはつないでなかったはずではとか、いまいちよくわからない要素が山積みだったり、生徒総会のクライマックスも、ねらいすぎのタイミングでやってきて、口答でべらべら「素人に向かって専門用語で」指示するシーンにどう感動していいのかわかりません。はいそこで○○をして×××を確認△△を実行とか立て石に水に言われてできるものか。使われている単語がすべてわかっても難しいぞ。
このあたり、中学生日記でももう少し視聴者を取り込む努力をするような気がする。

 とまあ視聴者の気持ちは置いてきぼりにしたまま、登場人物たちだけで分かち合われるまなびの「ピュアな善意」による「素晴らしき感動の渦」という、シリーズの基本路線は守られたのでした。ワンクールずっとこれの繰り返しでいくのか、突然手のひらを返してまなびが支持されなくなるのか知らないが、どっちにいっても寒いことは間違いない気がする。
一箇所とてもよかったとおもうのは、状況理解してない野中キャラ(みか?)をぺちって叩くところのタイミング。

 そういえば、上空を飛んでいた隕石みたいなのは、なにかの伏線か? 今回無駄に炸裂してた心象映像演出の一貫?
 あと、今回は、主人公たちの髪の毛がまるで、うっかり墨汁に漬けてしまって染まってしまったように見えて困った。いつもはこちゃこちゃ動いているから、ただの「かわったデザイン」ですむ色彩効果なんだけどねえ。つくづく真面目な話(芝居)には似つかわしくないキャラクターデザインだとおもう。