第十六話

 どんどんたがが外れてくるときめきメモリアル。確かに女神がいるなら妖怪がいてもいいけど、水木しげるランドから直輸入してくるとは思わなかったです(あのビジュアルはほとんど水木の創作なのである)。
 話は学園祭に向けて、件の妖怪がらみへと発展する化学教師(科学? 工学?)の暴走と、天宮さんの演劇ネタの同時進行で、ちょっと前の爆発を超える天宮爆弾が炸裂するサスペンス回でもあった。やっぱり陸くん番組が終わるまでに首のひとつやふたつ、なくてしまいそうである。七つのベールの舞の褒美にとか、そういう感じで。
 周囲の男たちの陸君を見る視点に、「嫉妬」が無くなっているのもおそらくそれを予感したからに違いない。今日は功績があるからしょうがないとか、そういうのはまあ口実である。不治の病に犯された人間にはみな優しくなるものである。

 後半は暴発していた天宮さんがなんの伏線もなくすっきりした顔で出てきたり(妖怪の被害にあわなかったのは、霊のにわか雨にも振られない天宮パワーの為せる技か?)、助けにはいった陸たちのほうは限りなく投げっぱなしだったりと、作劇上の結構も無視した(それこそタガが外れた)まま終わるという、大胆不敵な仕上がり。でもまあなにか許せてしまうのが、今までの蓄積のなせる業なのだろう。

 なお本作、ウェブラジオも最近始まったのだが、がんばってテンションあげすぎてて聞いていて疲れるメインパーソナリティの宮野真守はともかく、ミニドラマの椅子を破壊する天宮さんは結構たのしい。やはりそういうキャラなのね。陸君ピンチ。