第十三話「魔王あらわる!」

 子安のお兄さん登場。
 馬鹿話で和ませるアニメが、シリアスを始めるとただのシリアスアニメより空気が悪くなって、見ていて非常に困るという、「いぬかみっ!」の法則に忠実な一編。
 この子安魔王は最強のビアトリス使いにしては、こっそり護を攻撃したりして、やることがせこいが、些細なことをおろそかにしないのが大物の証ということなのだろうか。魔王が無謀突貫馬鹿でも困るが、こういう小ささはこれで困るものがある。
 その魔王と絢子の「演舞」ならぬ「演ビアトリス」は、なにをどうすると夜にできるのか知らないが、終演後の絢子の意図せざる満悦の表情とそれに自身で戸惑う流れは鮮やか。テクニシャンを取るか、愛ある男をとるか、てなわけである。
 今後は、護がいったん萎縮してそれからの回復、そして絢子による護の全面肯定という流れになるのだろうけど、そこで愛があれば完全なビアトリス使いでなくても、とやるのか、愛があれば、不足分は埋められるどころかそれ以上になると繰るのか、そもそも護の力は増幅系だったとするのかで、作品のスタンスが(そしておそらく後半の方向性も)はっきりすることだろう。