第四話「枕小路」

今回は悲劇。
「予知過剰」の恐怖とか無力感を描くかとみせて、ひっくり返すのは面白い。大津波の夢を見なかったことが、伏線であると同時にミスディレクションになっているわけですね。
ビジュルよりもシナリオの妙で見せる回ではあるが、夢と繋がった屏風のむこうがわの情景は「恐ろしくも美しい」のシリーズコンセプトを踏襲している。空を覆いつくす夢の生き物たちは、微妙にデジタルくさいというか、ちょっとPS2の『Rez』を思わせる光景ではあったが。

ストーリー的には、一体どれくらいのレベルの夢まで具現化かできるのかとかはすこし気にならないでもないし、屏風に夢が映るのはエルム街のフレディの悪夢的に御都合主義ではあるが、悲劇的な展開であっても、蟲にも人にも偏った非を与えないように展開させるのは立派。
ラスト、夢を奪われたものが廃人化して死んでいくのは定番すぎて、無理はなくても印象は弱い。それより一体ギンコは何歳なんだというほうが気になったりする(夢幻紳士とか超人ロックみたいな半人外なキャラ――この作品風にいうと半「蟲」とか?)