第十話

 エメレンツィア(この名前を聞くといつもチーズの品名を思い出す)に女子高生の常識を、という話。キャラ的に本当に帰国するはずもないので、オチは読めているわけだけど、はなからオチのために構成された物語ではなく、どこまでもあたまのわるい(褒め言葉である)ベアトリーチェとのじゃれあいの数々を見せることに主眼があるのだから、ばれていようとかまわないというほどのもので、それどころか、むしろばれていることが前提にあり、そうすることで、より絢子をピエロに見せる効果をねらっていたのかもしれない。

 ともかれ、この世のいったい誰の期待に応えて発信しているのかまったくわからない眼鏡のオタクカリカチュアキャラ以外は、実に見事な馬鹿ばなしっぷりでありました。カラオケの88という採点がちょっと(いや、かなり)納得いかないことぐらい些細な問題である。

 ここまで、書いてきて始めて気づいたが、あのちょっと危険な妹が出てないのも、この快調を支えているのかもしれないですな。