第七話

ううむ。おそろしくつまらない。
戦う気のない敵、緊張感のない主人公たち、意味のない戦い。それでいて時間だけはたっぷりある。新手の嫌がらせですか、これは。

いや、今回は単なる小手調べであり新キャラの顔見せが主体なのだからそれでいい、という人がいるかもしれないが、小手調べ――言うならば予告編である――の先にあるものを緊張感や不安感とともに、見る側に予測させることが出来なければ意味がないだろう。

 どうしてこうなってしまうかと言うと、これはこちらの理解力に問題があるのかもしれないが、この世界におけるビアトリスと言うものの位置づけやそれが結局何なのか、というのがさっぱり判らないせいであるのではないか。だって、なぜわざわざフランスに戦いに赴いたのかすらよくわからないのだ。どんな事件でも背景とともに説明されないと、それが真に意味するところは伝わらないのである。

 わからない、といえば、妹はなににそんなにうろたえたんだ? ルリ似の人が言うことが会っているのだとすれば、最初から壊れていたはずなんだから。まるで自分が破壊したような反応を見せることはない。
 このあたり、意図したミスディレクションっぽいが、こんなシーンで意外性を狙ってどうするのだろうか。壊したと思ったら、実は自分のせいじゃなかっためでたしめでたし、と言うのでは、ただの勘違い独り相撲でしかないのだし、真実がはっきりしないため、見ようによっては、ビアトリスによって自分の悪行が消えて喜んでいるようですらある。
 そもそもこの妹はなぜにこの兄に執着するのであろうか。
 このアニメ、どうにも、ビアトリスの件と言い、妹関係と言い、出し惜しみする必要のないところばかり出し惜しみする傾向にあるのだった。パンツとか裸とかはむしろ出し惜しみしてほしいぐらいのものなのに。