第二十話・・・

作画が奈落。作画に対して厳しいことはいわないほうだけどしかしこれは気になる。冒頭のたけうちくんと友人の崩し顔なんてこれなんだもの。ルピンの壷になってますよ。

 しかしそれでも話は面白い。冒頭のやっぱり、別れて終わりそうな語りから一気に持っていかれてしまった。

いけない、ささきのぞみのもたもたしたしゃべりがくせになってしまったかも。

イントロの雰囲気ではまるでヤノは死んでいないみたいだったが、後半の完全版を聞いたら、生きてはいそうで、それだからこその『永遠はない』なのだろう。死者はある意味永遠の存在なのだから。
そのラストで展開される、「永遠」についての静かな述懐は、喪失感を描かせたら当代随一の池田眞美子がその本領発揮、シリーズにおけるクライマックスを構成したのでした。終わりを予感するというのは、終わりそのものよりも寂しいことなのだ。

ラスト以外では、たけうちくんとヤノのある意味恋人同士より深く太い絆が印象的。
考えてみるとヤノはわがまま一杯、相手の懐の深さに甘えているわけだが、しかし実はどれもたけうちくんが許してくれそうなことしかしてないのだった。たけうちくんの懐の容量をちゃんと計算しての行動なのである。小賢しい子供であるが、悪い子供ではないのだ。

そして今回のフィクサー、たけうちくんをはめた彼女はその夜神月も驚く策士ぶりがいささか怖いけれど、七美よりは人を見る眼があると思います。

次回、三人目のナナこと山本さんが本格的な攻勢になる模様。たけうちくんは棚ボタに手を出してしまうのか? ああ怖い、でも楽しみ。