第一話、第二話

WOWOW新作アニメ、二話一挙放送。

第一話は、よくある兄萌え主人公をめぐるなんちゃって軍隊学校ものラブコメ的な出だしから、学園生活に敵襲来のシークエンス自体は別に驚くほどのものでもないが、ここは主人公たちがちょっと活躍するイベントかと思っていたので、友達三人がいきなり死亡でちょっとびっくり。一話目にしては駆け足過ぎるという印象はつまりここがただの序章だったからなわけだが、とりあえず掴みは成功した感じ。
まあ、その敵襲来で、憧れの兄が敵と帰ってくるあたりはもう完全にお約束の世界で――というかなんですか、テンカワアキトがラピスラズリホシノルリでもよし)を連れに来た、みたいな――既視感あふれる展開ではあるのは、あまりほめられたものではない(メカもブラックサレナみたいだし)。
ほかにも、キャラクターデザインが主人公はGA(藤田まり子なんだから当然といえば当然)なんだけどエンジェリックレイヤーみたいとか、敵軍が上空から降りてくるシーンがスターシップトゥルーパーズみたいとか、デジャヴなネタはいくつもあって、それが作品全体から真剣味をなくしてしまっているようなところはある。といって、メタ的に自覚しての引用という感じでもないし――そうではない数少ない箇所が、第二話で全面展開する小公女セーラのフォーマットとキャラクター名の使用だが、なんでいまどきセーラなのかという謎は残ります。

その第二話は、ステージが変わってもまたも軍事訓練ものなのだが、これまた手際よく状況を説明し、キャラクターを紹介していって、テンポはなかなか。主人公の行動原理に一話で描いたバックボーンがちゃんと活かされているし、新キャラも漫然と出るだけでなく、主人公と絡む形で紹介されていくので把握しやすい。しばしば忘れ去られがちな定石をきちんと使っているシナリオだ。

もっとも、手際がいいからといって、やたらと着替えだのシャワーだののサービスカットを押し込める必要はない気もするし、どのキャラも定番っぽいのばかりなのが難だけど。

ストーリー的には、川澄綾子キャラの性格というか目的意識の高さからして、いじめネタは暗くならないのがわかっているし、すでにゆかなキャラという強力な味方がいるので、見ていて安心である。最も今回の試験のエピソードのように、黙って耐える展開ばかりでは困るが(教官サイドのエピソードが回収されなかったのもちと不満。来週やるのか?)

気になるのは、訓練校篇が終わって、宇宙戦争に本格的に参加してからどう話を進めていくのかということ。まさかお兄さんを追いかけて勝手に飛び回るわけにも行かないだろうし。
しかもこれ、一クールで終わるらしいので、ちゃんと終れるのかどうか……。期待と不安がないまぜになるとはまさにこのこと。

そういえば、なくなったオルゴールはいずれ、音楽でその在り処を教えてくれるんでしょうか。