第三話

少尉が自分の立ち居地――貴族であることと、軍人であることと、民間人への理解者であることを確認し、その矛盾に折り合いをつける話。 

折り合い、というかまあ、悩んでも変えられないことは変えられないと開き直る、というだけのことなんですが、これは逃げではなく、それ以外の選択肢――たとえば、オスカル様のように「選ぶ」ことはやれるわけがないし、そうしたら物語がまるで違う方向性になってしまうのだから、これでいいわけである。テーマ的にも、問題の存在を自覚することが自体が、大切な一歩であるわけだし。
まあ、やたらと自信満々なパパは、ただ薄い(普通これ、浅い、では?)とか言ってないで、貴族のやるべきことを語って欲しかったというのはある。そうして初めて、少尉自身の方向性も明確になるのではなかろうか。

テーマとしてはまあそういう感じで、そう駄目でもないけれど、今回はお話としてはいささか味気ない。もうちょっとひねってもいいかなと思う。削岩機に鍵はついてないのかとか思うし、あんな物凄い銃を撃ったら、衝撃音で崩落が起きそうである。
なんといっても少尉がいつもいつも考えなしすぎるのが、見ててちょっとイラつく。精神的に未熟でも軍人として有能あったからこそのリーダーではないのではなかろうか。ただの貴族特権で士官になれているのだとしたら、これはもうどうしようもないけど。

次回は痛快活劇を期待……したかったのですがなにか暗そう。