第二話

 エルダーとは、吸血鬼の中でも長命なものを指すのですよ。百年いや数百年生きたノーライフキングに対し、畏怖と敬意をこめてそう呼ぶのですよ。そして吸血鬼といえば薔薇なのですよ。薔薇がなくちゃ生きていけない、なのですよ。そうつまり、吸血鬼とは薔薇様、そうエルダーとは薔薇様のことなのですよ。この学校には一人しかいないようですが、ほかの学校には三人ぐらいいる、あれなのですよ。

というのはともかく、順調にお色気と倒錯テイストをブレンドさせて進行。今回は、秘密の共有者を一人増やしたのと、対立する生徒会長の紹介、そしてエルダー選びという物語の縦糸の説明などを手際よく説明してみせる。いい感じに馬鹿でよろしい。

特にお嬢様キャラと見せて、ちょっと変態入っている協力者がらみの展開が面白い(浅野真澄キャラとの意味不明小芝居当たりとくに)。
なのですよさんとかバナナが大好きそうな人は、ヒロインキャラというよりは小動物的ポジションみたいですね。

などと、周りのキャラがばんばん立っていく横で、主人公だけがいまだ「堀江由衣が男キャラをやっている」程度のキャラ立ちなのはどうかと思うが、下手に男らしさを出すと、性犯罪臭があからさまになってしまうし、女心に目覚めてしまうと「彼は自分が性同一障害者であることを自覚した」みたいな妙な話になってしまうしで、これはなかなか難しいところ。でもいずれこのあたりはつめないとならないはずなので、さてどうすることやら。

ちなみに本編のみならず、エンディングでフル稼働している崩し顔は、どうにも好きになれません。だって、デジキャラットのゲマに髪の毛を乗っけたみたいなんだもの。どうせなら、あの顔になったときは皆語尾にゲマをつけるということにしてはどうか。
なかなかいいアイディアだと思いますなのですよゲマ。