第一話「新しい命」

打ち切り漫画のまさかのアニメ化だが、作る側は結構気合を入れて望んだようで、なかなかのハイクオリティに仕上がった。さすがにデスノートのレベルには達していないが、映像的には十分な出来である。内容もおおむね、原作に忠実(カズキの槍の出るタイミングが違うとかそういう違いはあるが)。
 
もっともそれで面白いかというと、そうでもないのが、この作品の難しいところで、というのもこれ、原作が序盤はとってもつまらない出来で、このアニメ版はその弱点を克服できていないのである。というか、むしろ、弱点も含め忠実に再現してしまっているのだ。漫画ならぎりぎり許容範囲の説明的な長い説明台詞もそのままやってしまっているし、いったいなにをお手本にしたのかわからない寒いギャグも、そのままやって見事シベリア寒気団を召喚してしまっている。
しかも、アウトラインは原作どおりでも、三十分で第二の戦闘までやったせいで、忙しないったらない。序盤はせめてじっくり「日常と非日常」の対比をやっておくべきだったんじゃないかなあ。原作では作者が重要視していながらいまいちうまく描けてなかったところであるし、どうせ後半は非日常ばかりになってしまうわけだしね。
まあ次回以降、日常パートも(できればオリジナルも交えて)増やしていってくれるとありがたいですね。

そうそう、作画もだが、音楽や声優陣もまずまず。特に、予告映像ではとても微妙だったエルルゥさんは、その後きちんとキャラを把握できたのか、とてもりりしい斗貴子さんになっている。カズキやその友人もぜんぜん違和感なし。
あでも、一人とんでもないのがいたな。
いくら聞いても、涼宮ハルヒにしか聞こえない平野綾。この人こんなに芸域狭かったか? 兄より年上に聞こえる妹キャラってのはどうなんでしょうか。個人的にはまひろは、新谷良子か名塚香織あたりの役どころかと思っていたんですが。うーむ。

ときに、序盤のモブの生徒が何かかわいかったですね。
 なんにせよ、パピヨンが出るまでは我慢我慢。