第一話「新生」

 原作通り! 
 ってフレーズをいったいどれくらいの人が使っているであろうか。

 重厚な画面であのデスノートの世界を忠実に再現。ややこしいルールも丁寧に説明して、かつあまりくどくならず(原作未読の人はちょっと忙しいかもしれないが)、演出力で見せきる。原作を読んでてもちゃんと楽しいのだから、まずは水準をクリアである。
 ちょっと不安だった、宮野真守ライトは、その微妙なヘタレ感がかえっていい感じ」そういえばライトの魅力は「天才」でも「ハンサム」でもなく、「かっこつけてるけどなんか馬鹿」なので、ある意味キングとは通じるところのあるキャラなのだった。
 しかし、リューク中村獅童のほうはいまいち。あのキャラは物語の要であり、ムードメーカーであるわけで、話題性なんかよりともかくうまい人を置かないといけないのになあ。サブの死神たちがみんな普通にうまいだけにさらに目立つ。
 まあ、下手糞というほどでもないので、回を重ねていくうちにせめてこなれてくるといいですね。

 しかし、内容的にはそれなりでも、パッケージングはとても微妙だ。まず、十年前の亡霊のようなレトロなヴィジュアル系のOPEDがよろしくない。ヴィジュアル系が悪いのではなく、もう少し今っぽい音のグループを引っ張ってこられなかったのか、という話である。
 そして、なんと言っても、最後の、変な実写企画コーナー。平野綾はもはや一部ファンのための客寄せパンダ状態でありますな。本人にしてみれば、元々アイドルグループにいただけに、こういう路線は本望であるのかもしれないが、興味ない立場からするとうっとうしいだけである(もうキディグレイドは遠い昔であるね)。さらに工藤晴香まで引っ張り出すことはないじゃないか。ノエインの印象まで悪くなってしまいそうである。