第十三話「虚無のルイズ」

さて最終回。
前回の予測はあっさり外れる。いやだって、まさか十数分で国家の存亡を賭けた戦争が終わるとは思わないじゃん。それも、ルイズの「虚無パワー」発動と、サイトのガンダールヴ特権による大活躍はわかるとしても、ゼロ戦一騎で打ち落とせるだけしかいない竜騎兵とか王国の軍の精鋭が束になっても敵わないフーケの泥の巨人を、シュヴァリエが一人いるにしても所詮は学生の三人組がやっつけるとか、敵の軍隊が飛行戦艦一艦だけで、しかも親分が直接乗ってきているとか、ちょっと想定外でした。

でもそれでつまらないかというと、まあそうでもない。

おままごと臭はあるにせよ、頭を使っての勝利であったり、謎魔法による圧倒的な蹂躙であったりと、エンターテインメントとしてのつぼはそれなりにおさえられていたと思う。
もちろん絶賛するほどのものでもない。せいぜい、必要最小限のところははずさなかったかな、という感じだろうか。
ゼロ戦戦闘の歯切れはいまいちで(ジパングクラスを期待したわけではないけどねえ)、撃墜する相手が竜とはいえ一応生き物という後味の悪さもある。棒立ちのワルドが説明台詞をいいながら死んでいくのはさすがに笑ってしまったしね。

しかしこれは、すべては主人公をめぐるラブコメのための背景作りと考えれば、そんなものでもいいかなと思えるわけである。ルイズが、シエスタが、アンリエッタ(なにやらやたらと扇情的なお召し物でしたね。部下が違う意味で元気になってしまうと思う)が、かわいく魅力的に描けてさえいれば、後は適当でいい話なのである、これは。序盤の身分制度ネタとかはいったいなんだったのかと思わないでもないが、まあそういうことである。

とはいえ、これで終わりはあまりに中途半端。月蝕で門が開く云々もはっきりしなかったし(今回と三十年前の月蝕がレアな現象だったのか、月蝕がレアな現象だったのかすらわからない。)続編製作も狙っているのだろうから、仕方ないのかもしれないが、船乗りクプクプでももう少し終わりらしい終わり方だったぞ。せめて水の妖精に指輪を返すぐらいはやって欲しかった(その指輪をタバサが持っているというのは、あるいは原作のほうでは重要な複線だったりするのかもしれないが……)。

 狙い通りに、第二期が作られるといいですね。