第六話

シリーズもはや中盤。中盤らしく大きく動きのある回となった。

冒頭の沈黙の艦隊もどきはなかなか楽しい。維新の船の機動性がほとんど反則な気もするが(っていうかあの速度で動いたなら、中の人間がミンチになりそうだ)、スーパーロボットバトルならぬ、スーパー潜水艦バトルと考えれば、そう問題もない気がする。

問題なのは仁のキャラが変わりすぎなところ。復讐という動機を明らかにしたからって、いきなり行動が異化にも妄執に根ざした強引さを兼ね備えなくてもいいのに。次回予告の映像からするとサナはおろか丈までも利用しそうだ。ううむ。

今回の新キャラ、西郷隆盛みたいなおっさんは西郷隆盛みたいというだけで、どうっていうことのないキャラで、次回あたりは早くも背景になってそうである。あんまり濃いキャラをたくさん出すと収集がつかなくなるとはいえ、どうでもいいキャラばかり増やしてもしょうがない。そろそろ新キャラ新情報は打ち止めにして、メインキャラを掘り下げる時期なのではあるまいか。いまのところ、仁とサナ以外ではサイコ機動隊の皆さんぐらいしかキャラとして確立していない気がする。海賊はまだまだ、やすでのハーロックレベルだし、丈に至っては、よく喋る少年より脇役みたいだ。

ストーリーもいいかげんにアクションを並べて間を持たせるだけではまずい気がする。
これは、アクションのおまけに物語があるのではなく、むしろアクションのほうがおまけ、という類の話だろう。で、あるのに、現在までに示された、ジンの復讐とサナの秘密、そして今回明らかになったサイコ機動隊チームのボスの陰謀、明治維新チックなロゴス打倒の話、といった要素が、どうにもひとつの方向を向いているようには見えないのだ。独立した幾つものエピソードをキャラクターで強引に一つしにているという感じである。しかし、漠然と事件を起こして解決するだけでは物語にはならないのである。このままいくと、まさにそれで「物語を語った」と作り手だけが思い込んで、アニメが終わりそうだが……。

とりあえず次回からの大騒動でドラマが形をなしていくことに期待したいところ。
いやしかし、これ、まとまるのか?