第二十四話

　さてどうしよう？　真相はどうやら前回でおおむね出尽くしたようで、あとはもうバトルとまとめ？　

　そのバトルはシン＆アビス組とオケアノス組にドラマ的葛藤がさっぱりないので、ただのお邪魔キャラ排除ゲームにしかなってない。
　まとめその一の、シマ司令入滅話はとても他人事。どうせクローンだしとか、キャラ的に面白くもなんともないしとか、好悪の印象以前にどうでもいいキャラだったので、これはある意味しょうがない。
　まとめその二のＡＩ全滅はシマ司令よりはインパクトがあるけど、「所詮プログラム」という設定のこの話だと微妙だ。視聴者的には残念でも、作中ではどうでもいいこと、というラインだと、ちょっと身の置き所がわからない。

　さて、今回のキーキャラクター、オリジナルシマ。これがひどい。いや、ひどいというより、しょぼい。なにが盛者必滅か、なにが色即是空か。仏教的世界観で物語が構築されているわけでもないのに突然こういうことを言い出してもしょうがないのだ。ようするに、無闇と横文字を使ってみたりするのと同レベルである。
　その彼の見せたいもの――雪中の花、という禅の公案的展開もこの期に及んで果たしてやるべきものなのだろうか？　物理世界では今回いきなりホモ属性に目覚めたルーシェンがナルシーたっぷりに死にかけているのというのに、のんびり何をやっているのだろうと思う。まあ直截なにかいっても、どうせキョウは変わらないだろうけど。

　そう、キョウは変わらないのだ。
　誰も聞いてないのに経典名を口走り、教科書的な解説をして見せる、久しぶりの「物知り」ぶりもひどいが、せっかく薀蓄ならべても結局「俺は俺の信念をいく！」で一蹴してしまうのはもっとひどい。物知り設定に意味がないのだ。ある意味ガルズオルムよりたちの悪いキャラである。
　まあ、「コニシキ」とかのよくわからない――どころか明らかに流れを破壊している――ギャグコントパートよりよっぽど笑える場面になってはいたけど。
　そしていつのまにか、ゼーガを離れても普通のキャラになっているカミナギ。このサーバーだけの特例なんだろうか？

　いろんな意味で残り二回から目を離せません。