それはたったひとつの冴えたやり方じゃない

ええとまったくアニメとは関係のない話題です。

小説家の坂東眞砂子氏は、子宮摘出は自然じゃないし、親猫が望まないだろうと言う理由で、生まれた仔猫を崖から投げ落として処分していたようですが、仔猫を崖から投げ落とされて死ぬことをのぞんでいたのでしょうか?

今秋発売された雑誌ではなにやら、食肉産業まで引き合いに出して自己の行為を正当化しようと(あるいは、周りも同罪化)しようとなさっています(うろ覚えなのでこの読解が間違っていたらご教示ください)が、坂東氏にしてみると仔猫を大地にぶち捨てて殺すことは食肉並に人として自然な行為であったりするのでしょうか?

生まれてくる生命に責任を取れそうにないのなら、生まれないようにすればいいのです。それは手術といういささか強引な手段に依らなくて(もちろん手術を比定するものではありません)も、雄猫は雌猫に近寄らせない、雌猫は雄猫に近寄らせない、たったこれだけで出来るのです。そういう確実にして「ごく自然な」解決策も試みていない時点で、はっきり言って、氏の発言には何ひとつ正当性はありません。殺すという罪を引き受けることが責任のとり方、などというのは単なる自己陶酔でしかないのです。

せめて黙って一人で「自分の罪」と自ら規定するものに耐えるべきだったのです。誰にも知られず、話題にならなければ、見苦しい自己正当化の弁舌もいらず、いつまでも罪の意識と生きて行けたでしょうに。