第二十一話「大封印」

だんだん過酷になっているクーヤ編の二。

小国が周囲のプレッシャーからぶちきれるというまあ世界歴史上良くある話で、無理もそれほどなく演出や進行も手堅いのだけど、クーヤをそこに追い込んでいく素材がいまいちなので、どうにも乗り切れない。具体的には銀髪ロンゲが邪魔。
ヒエンの直訴に心揺さぶられてならまだわかるのだけど、あからさまに悪の馬鹿ですというキャラにほだされているようではやっぱりただの暗君である。作り手がそのつもりでなくても、そう見えてしまう。

大体せっかくハクオロたちと仲良くなっているのだから、同盟関係を結ぼうとするが上手くいかないとかそういう選択肢を試すエピソードが必要だったんじゃないかなあ。原作にあろうとなかろうと「最善手をとらせる」べき箇所だと思う。そうしないと今後待ち受けているだろう(もうほぼ確実な気がする)悲劇に説得力がなくなってしまう。クーヤの苦悩の描写自体は上手く言っているんだけどねえ。

あといくら小国でも重役会議が四人(サクヤを除けば実質三人)とか、そのへんの団地でもないだろうと思う。

戦争パートも翼人の国にガードマンはいないのか? 裏切り者の翼人(見かけどおりじゃないみたいだが)が強くて皆殺しにしたってことなのか?

とまあストーリー面では微妙だったが、映像的には大量殺戮するロボ群やそれを迎え撃つ翼人の魔法、といった見せ場は多くて、飽きることはなかった。まああれだけおおっぴらにロボが暴れている状況でどの軍も対抗策を考えないのはどうかという気もするが……

さて、次回のハクオロ軍対ロボ軍はそのへん、ちゃんと頭を使った戦いを見せてくれるだろうか?
 
次回といえば、予告のあのシーンの「あれ」は、いったいどういうことなのだろうか。
衝撃シーンを予告で見せてしまうのはやっぱりただのフェイク――翼人か何かがスーパーパワーで助けてくれるとか、重傷なだけか、そういうこと――だからなのか、インパクトの緩和なのか、とても不安なところであります。まさか無いと思うのだが……。