第六話

突破作戦の後半。序盤の巻き込みは楽しい。十二姉妹も――文字通りお人形さんごっこではあるにせよ――意外に頑張ってヒールをやっているし。
これでミスターがもっとナイスガイなら、サスペンスも高まったものだが……。
あとマルチアーノがねえ。別ににているわけでもないのに、なぜかクイーンエメラルダスを連想するのだけど、あれほどかっこよくなく、どうにも前座キャラっぽい。

そのキャラの弱さとミスターのいまいちさが、前面に出たのが終盤の救出劇。広橋涼が何の伏線もなく脱出装置の存在を看破、かつ使用法も理解しているのもあれだが、ミスターとの絆が言葉でつらつら説明されただけの状況ではミスターの必死さもフランカのミスターへの信頼も見えてこないから、盛り上がらないことおびただしい。

前々回の料理のエピソードで連想した宮崎作品でいうと、ラピュタのロボット兵が暴れるなかでのシータの救出が近い場面だが、あれはもう二人の絆がもしっかり描けてたわけで、このふたつ、何が違うかというと、つまるところ細部へのこだわり、サブプロットの回収をきちんとしているか否か、ということなのではないかと思う。

フタコイオルタナティブ(の三話以降)も、いくら台詞を連ねても、おしゃれカット&演出を重ねても、肝であるドラマとキャラクター描写はいまいちという空虚作品の典型のような作品だったが、これも着実にそうなりつつある――否、そこから始まって脱却できないで終わりそうである。