第一話「奈落」

 冒頭、薬莢にモニター画像のように鮮明に主人公たちが映るお洒落ショットにちょっと悪い先入観を植え付けられてしまい、その後も、膝立ちでのけぞり疲れた、というヒロインなどという微妙な場面があり(演出的には顔を印象付けたかったのかね)、さらに止めの一撃のようにナレーションがスターウォーズの吹き替え版みたいな怒涛の世界観説明をおっぱじめ、これは駄目かも、と思ったりもしたのだけど、見終わってみるとそんなに悪い印象でもないのであった。

 いささかこれ見よがしにすぎるが容赦のない暴力描写によるシビアなイメージの描出、安定した作画と骨のあるアクション、そこそこ考えて動くキャラたち。
 設定もキャラクターも、どこかで見たようなものばかりだし、今後の展開や謎や秘密の答えも、その仲間入りをする可能性はとても大きいのだが、描き込まれた背景は悪くないし、ヒロインはけっこう可愛い感じだし、ヒーロー二人もよくある突貫馬鹿でないのがいい(とりあえず今のところは)。ただし、異世界のクリーチャーかと誤解するような少年キャラはもうすこしなんとかならなかったかとは思う。

 次回本格的に出てくる追っ手のお姉さんと四人の特殊部隊員をどう使いこなすか、ヒロインを巡るドラマをどう膨らましていくかで、既視感が武器になるか、弱点になるかが分かれることでありましょう。