第十三話

各種伏線、世界の正体も、国の行く末すべて放りっぱなしで、限りなくダイジェストな流れだったが、意外に後味は悪くない。原作既読のせいで、謎が謎でなくなっているせいもあるだろうが、終盤の焦点をフィリエルのキャラクター性にしぼって、徹底したからだろう。

 おかげで、中田侯爵は復活した意味がほとんどなかったし、石田彰も寝返る必然性がぜんぜんなかった。彼らの設定と動向の変更は、終盤にちょっと賑やかしという程度での改変だったのだろう。唯一レアンドラのみ、株を上げた印象だが、アデ―ルがわりをくって印象がまた弱くなってしまった。不憫なり。もっともアデ―ルは外伝を除くと実は原作でもあまり活躍してなかったりするわけだが(だからこその外伝なのだし。でもどうせいじるならアデールをいじるべきだよなあ。女王候補なんだし)。

 そしてラストがなにかエロい。真昼の星に何を見せつける気だー! まさかフィリエルの研究、じゃない……よね?