第十二話

 カミナギリョーコの覚醒。
 「選べ、もう一度!」と誰にいわれたんでしょうか
 というのは、おいておくとして。

 リョーコがこの世界の現実をあっさり認める、というのは意外性がありつつも、リョ―この性格と秘めた強さをうまく表していて巧い。
 が、もうひとつ溜めは欲しかった気もする。というか、セレブラントという言葉は何処で聞いたんだ? 真実を受け止める場面をはぶいてもいいが、真実を知らされる瞬間はあってもいいと思う。
 その後の、ヴァーチャルと知りつつ、「青春」を堪能するのは、その物悲しさもちゃんと捉えられていていい感じ。外を見てみたい動機が「撮影」というのも、今までのキャラクター描写の蓄積が光る流れだ。

 一方、シズナはラブラブチュッチュッ(するつもりだった)旦那様を女子高生に獲られて、猫に走る。こういう結末、というのはつまり、このアニメが『奥様は女子高生』の別バージョンであるということですね。
 
 トミガイたちの「補習」のシーンでは、『地球(テラ)へ』の成人試験やジョミーのメッセージ攻撃の場面を思い出してなんか懐かしくなりました(関係ない話だが、今『地球へ』を原作に忠実にアニメ化したら受けるだろうか? いや、さすがにいろいろと古いか)。

 今回出てきた設定面で気になるのは「リセット」というやつ。
 リセットってのはつまり「元データ」に復元されるってことでは?
 それってつまり元データをどこかにバックアップしている、ってことになるような?
 量子データの複製不可能性はどこへ行った?
 うーむ。

 次回予告は馬鹿でよかった。手塚部長もミナトも壊れてるし。つーかここにもマッチョが。しかしテーマ的にはあんまり明るくなさそうだよなあ。