第十話「涼宮ハルヒの憂鬱Ⅳ」

宣誓! 凝ったアニメ、面白いギミック、洒落た構成のアニメは大歓迎です。
 ただし、あさっての方向に凝ったアニメ、意味無く面白くも無いギミック、センスのない奴がお洒落と思ってやってる駄目構成のアニメには興味がありません。

 なんちゃって。

 てゆーか。
 なんかもうどうでもよくなっちゃったわ。「憂鬱Ⅲ」をやったのは、もう一ヶ月も前のことなのよ? 誰がどこでなにに落ち込んでたのかなんて忘れちゃったわよ。タイトルロールなのにほとんど出番無いし。これじゃあ、「朝比奈みくるの誘惑」と「長門有希の闘争」じゃない? ふざけてない?

 だいたい高校生のみくるから数年経つとなんであんなに大きくなるのよ? ほとんどの人間の成長期は十代で終わるのよ。あんなに目に見えて身長が伸びるなんて化物だわ。まあ身長も体型もほとんど変わらない大人っぽさなんて記号化されたアニメでそうそう出せるものじゃないけどさ。「禁則事項です」の台詞回しと決めの絵が気持ち悪かったのは武士の情けで勘弁してあげるわ。
 
 で、なあに!? 今回の見せ場、だったらしい、長門の戦いは! あれで見せ場のつもり? いぬかみスク水変態とセーラー服変態の戦いのほうがまだ盛り上がったわよ。ただパース目茶苦茶にしてチカチカやってるだけじゃない! デジタルエフェクトかけてりゃかっこよく見えるってもんでもないわよ。

 そもそも根本的におかしいのが、長門が死なないのがわかっているから何のサスペンスもないって点。おまけに、野球の話なんかで万能キャラなこともわかってるから超人バトルもやっても驚きがないのよ。しかも、戦いの一手一手の想像力に欠けるのも駄目ね。

 どうせありえない世界でのありえない戦いなんだったら、「ノエイン」ぐらいやったらどうなのよ。教室内が不思議空間だったわけでしょ?(朝倉とキョンとの距離がコマごとに変わってたのだってそういうことよね?)
 あるいはさりげなく、地味に、でも鬼のように強い戦いを見せてくれても良いわ。学園戦記ムリョウ浅野真澄キャラみたいに。
 どっちにしても大切なのは、緊張感の描出とオリジナリティある表現よ。そこのところをわかってないわ。

 全体の一エピソードとしても駄目駄目よ。 
 本来ここは、なんかよくわからんことをいう女が、実はその言っているとおりの存在だったことがわかる衝撃の展開だったはず……なんてことぐらいは、原作をまったく読んだことがない人間だってわかるわ!

 似たようなことはキョンの気持ちにもいえるわね。
 作中時間が戻ったのにあわせて、視聴者が、キョンが何を知っているか、何を知らないか、なにを信じて、なにを信じていないかを、いちいち検討しなおして、整理して見ないとキョンの気持ちがわからないなんて馬鹿げてるわ。
 メメントみたいに、その推理こそが重要な話ならともかく、これは普通にキョンに感情移入してみる話でしょ? なんでそんな面倒なことしなくちゃいけないのよ! っていうか情報の整理をしているうちに感情移入なんかする気がなくなるわ!

 やっぱり物事って見せる順番が大切よね。犯人見せてから殺人現場描いてもフーダニットには絶対ならないのよ。

 で、なに? 次回はまた続きじゃないの? そこに何の意味があるの? 話を楽しませる気が無いの?