第七話

ひたすら鬱々とする主人公と、鬱要素のない傭兵カップル(顔の傷のようなもの――侵食かね――があるいは鬱要素かもしれないが)のバトルの二本立て。ドラマ的にはつなぎの回。
 リョ―コの友達がハンバーガー屋で三人組と繰り広げる小芝居がちょっと面白い。ゆかな、うまい。
 水族館のくだりはキャラの設定を活用して丁寧に見せて、いい感じである。
 ストーリー上はシズナがヒロインっぽいのに、相変わらずスタッフの愛は幼馴染に行っている。ベンチでの語らいもリョ―コの芝居がやたら細かいし、ほとんど意味のない自宅でのカットも健康なエロスがほどほどに炸裂、スカートめくりのシーンはテレビ東京規制の限界に挑戦している感じだ。まあ、見えないけど。つーか主人公は偽躁状態にかこつけてなにをやっているのか。
 ともかくも設定はほぼ出尽くして、あとは主人公の覚醒がメインになっていくのかな?
 ところで、この物理現実も究極的にはデータの集合体なので、主人公は実は悩むことはないのだった(「人間にとっての迷宮」である脳にしても、コンピューターとの決定的な差異は「複雑さ」の度合いであるに過ぎない)。
 見たところメモリーも豊富にあるようだから、いわゆる「冷たい」電脳化的な不活性な世界ではないようだし。