二人のサムライ

これは凄い。
 ハガレンに比べるとお金も手間もかかってないが、なんの衒いもないプログラムピクチャー感覚で一気に押す。明快なプロット、明快な敵、明快な目的、明快な結末。シンプルイズベスト。
 手塚部長の、銀河を超え、無限に分裂し、『アルマゲドン』の小惑星の数千倍の威力で地球を襲い、恐竜を絶滅させるサーブには唖然というか笑い死にしそうになったし、まさかこれを超える凄い戦いはないだろうと思っていたら、あんたまだまだだね対その自称兄貴の戦いにおける、爆煙と電光、さらには、乱立する炎の柱にどこまでイメージなんだかわからない大津波、さらには宇宙での戦い、閃光弾、おまけにすっぽんぽん攻撃まで、想像力の限界に挑む素晴らしいサービスっぷり。いやあ映画っていいですね。劇場で見せられたらこれ、悶死するぞ。
 スペクタクルパートを別とするとドラマ的には意外にオーソドックスに仕上がってたりするのだった。戦いのあいだに回想を入れていくあたりは定番を嫌味なく打ち出せている。。
 跡部様は成金くさい調度品いっぱいの部屋で蓄音機で音楽をお聴きになられるという、期待にたがわぬおもしろさ。最後の登場も見る者の期待に見事答えてじつに素晴らしかったのですが、できれば、ヨットごときではなく自前の豪華客船で迎えにきてくれればなお良かったですね。とはいえ、ヨットの「ATOBE」はいいセンスでありました。
 それにしても、偽おにいちゃんはあんな水上バイクでどこへいったのでしょう。