第五話

ベストエピソード。
春眠暁を覚えずというタイトルそのままの話とみかん弟登場という話。あと、ぐちゅ子が少し飼い猫に近づく。
 AB両パートにまたがって出てきてどうでもいい話――チョココロネの食べ方についてではない――を繰り広げる三人組がよい。こういうのは、意味のない話をするだけでも、仲の好さを強調するだけでも、そして当然のことながら萌えな言動を並べるだけでも駄目なんだな、というのがよくわかります。どうでもいい話というのは、やはりどうでもいいポジションにあって初めて効果をはっきりするのである。メインでやったら「どうでもいい」といわれてしまうからこそ、どうでもいい話なのです。
 蜜柑の弟くんは図体はでかいが可愛いものに弱くてシスコンという少女漫画系の弟キャラの一典型だけど、ぽてまよの取り扱いかたの「いいやつ」ぶり――なかでも、指を銜えられてしまい、そのまま耐える、というくだりは、書斎で執筆中に飼っている猫が膝のうえで寝てしまったためにそのままで机に向かってじっとしていたというラヴクラフトの逸話を連想させる――が、とても好感度高し。
 そういえば、ぐちゅ子の友達の親の役で野中藍がでてましたが、意外に老け役が似合いますね。娘といると精神的に同世代どころかむしろ娘の娘のように幼児化するおばさんっていうのは、なかなかどうしてリアルなキャラだ。