第二話

 悲しくなる話でした。
 悲しくなるほどくだらない話でした。
 悲しいなるほどに、コードギアスの脚本家による話なのでした。

 前回の振りはどれもそのまま。どぎつい刺激物を並べただけで「死」とか「人の純粋な気持ち」とか描けると思ってるとしたら苦笑しかこぼれません。展開は強引、細部は粗雑。ただ聞き込みしてるだけだったはずの刑事が拳銃を携行してて、しかも威嚇行動すらとらずに急所を一撃する凄い射撃を披露とか、妹のために二人も殺した人が妹を捨てて北に逃亡(施設なら面倒見てもらえると思ったのか? 殺人者の妹として?)とか、姿を変えて逃げるつもりで紙を切ってるのに、明らかに不審に思われる派手さで髪の毛を散らかしていく(自暴自棄になったなら、髪なぞ切らん)とか、ロケット飛ばしてなんかロマンチックな幕引きっぽい演出とか、悲しくなるほど、稚拙で寒い。
 終わってみれば、ようするに、配達人の職業意識の低さが悲劇を連鎖を招いた(最初の段階で差出人のことなど口走らず黙って引き下がっていれば、少年は殺されずにすんでたし、少女が死ぬこともなかっただろう)、というだけの、運命とか世界の不条理とかとは関係ない単なる傍迷惑な人災――厳密には人ではないが――話でしかないのだった。それでいて悲劇ドミノ倒しの基点の人物は済ました顔で「これはこの世で一番純粋な手紙」とか済ましているのだ。白々しいにも程がある。黒い服の男を連れてきて「貴方が蜘蛛だったのですね」と言わせたいところである。

 考えてみると、佐藤監督って自分は結構いいシナリオを書ける人なのに、人のシナリオの駄目だしができない人なのか、歴代の監督作での失敗要因はシナリオにあることが多い。『獣兵衛忍風帖龍宝玉編』にしても、『宇宙のステルヴィア』の後半にしても、悪いのは作画でも演出でも音楽でも役者でもなかったからね。まあ、あの獣兵衛でも「はらわたに龍」みたいな優れたエピソードがあったりするから、以後十数話の中でひとつでもまともな回があればいいなと、前向きな気持ちでみたいところではある。願わくば、全シナリオ大河内一楼とかでありませんように