第四話

 今回は二本立て。
 前半は巫女姉妹の話。百何十年前から文化が途絶しているから、二十歳に近づけば年増というのは、別におかしくはないが、それにしては、当たり前に最近の和製英語を使っているような? まあいいや。
 絵的には、限りなくクリーチャーレベルのヒロインの変貌振りが楽しい。ライバル(かも知れない)瀬戸の人魚さんと違って、内面は限りなく幼児であるのが、売りというか、特性なのだろう。
 話としては、姉妹の戦いがよくあるO・ヘンリー的な人情落ちにならないのは面白い(*)。
 
 後半は、島には得体の知れない生き物だけでなく、怨霊や神仏の類も実在するという話。主人公が霊をまったく信じないとかはいいのだが、地蔵の形も知らないというボケはちょっとどうなんだろうか。異常な世界での唯一の正常人(視聴者と同じ感性の持ち主)という立ち居地なのだから、あれで正しい積み方と思う余地はまったくないと思うのだが……。霊をだすためには、ただ壊すのでなく、間違った積み方をさせるのが必然であるとするなら、まったく信じてないからいい加減に積んだ、というような理に落ちる理由が欲しかったところ。島のクリーチャーと幽霊が見た目ほとんど変わらないというのは、なんかずるい気もするが、話としては悪くない仕掛ではある。

 しかし、そろそろシナリオ方面での工夫のなさが単調さに繋がってきている気がするので、なにか一味欲しいところではある。

(*)O・ヘンリー自体はけっこう性格悪かったらしいので、彼の人情話はじつはけっこうアイロニーが込められているのかも知れないが……。
 ところで、O・ヘンリーの「O」がなんの略でもない(少なくても正式な意味は明かされずじまいに終わった)、って知ってました?