第二話

 ますます魔界都市ブルースな第一章後編。基本、顔見せ回なので、事件が入り口で終わってしまった感じがするのも、なんか後味わるめなのも、問題はない。むしろ、ヒロインの正体をめぐっての黒の行動原理(なぜすぐ殺さなかったのか、等)を些細な台詞や動作であきらかにしたり、敵の能力の説明をその場でべらべら説明させたりせずにほかのキャラの台詞にちりばめてきちんとわかるようにしておいたりと、なかなかに考えられたシナリオと言える。
 が、アニメとしては、全体に見せ場に乏しく、いまいち冴えない、というのもまた事実。せつらにしてもDにしても、決めるところはフルオーケストラと聖歌隊のコーラスをバックに決めるものである(だからこそ、そこまでの寡黙だったり、昼行灯だったりするキャラが引き立つわけだ)。
 敵がよわっちいとか、わりと等身大〜リアル風味を目指す演出意図はわからないでもないが、それでもつほどの、ドラマ構築はできなそうな気がするし、第一、ビジュアル的にアクションのほうが良さそうなキャラクターたちであるのだから。

そうそう、「私」になるときに黒いコートを着る場面を律儀にも描いて、しかもそれにわざわざ理由をくっつけているのいいギャグだった。