第八話「ときめきの時」

 ときめくときときめけばときめけ。
 あ、なんでもありません。

 陸君が天然ジゴロぶりを発揮する一編。吉野朔美の漫画に「適材適所の男」なんていう、方々に彼女を作って、どれかひとりをえらべない人が「どの彼女にもそれぞれにいいところがあるんだから、しょうがないじゃないか」なんていう話があったけど、陸くんのやっていることもそれに近い。来る者は拒まず、去るものは追う、という。最初はただ困惑していただけのつかさの相手もだんだんその気になってくるとか、最初から結構好感を抱いていた弥生と一緒にいられてうれしいとか、学園のアイドルはやっぱり素敵、な天宮さんへの接し方とか、一つ一つはちゃんと理解も共感も出来るように作ってあるのだが、同時進行させるとやっぱり怖いです。

番組としては、シナリオにはあいかわらず、つかさに陸が他の女子と一緒にいるのを目撃させるに当たってきちんと段取りを踏んでいる辺りに細心さがうかがえるし、映像的にも、ちょっとした表情の変化で状況を示したり、モテモテ陸くんに心理的に敗北して嗚咽しながら去っていく男子生徒たちが面白かったりと、見ていてまったく飽きない充実したつくりで、文句はないのだけど、しかし、この状況を破綻させずに動かすのはすごく大変そうで(というか無理か。適材適所の男だって、その状態を維持できなかったのである)、なんにも困ってなさそうな陸くんの代わりに視聴者の胃が痛みそうである。あ、頼むからヒロインズをおかしくしてシリアス気取るのだけ早めてね。今回ぐらいのがまあぎりぎりのラインと思う。

さて次回は海である。本編では二人で行くような感じだったわりに、他の面子がいたような。どうやって参入させるんだ? 堂島君とかMMRの人を使うのかな。