第九話「第十一区画」

 ケインがちょっと活躍。自信たっぷりのくせして、くまいもとこの少年に遅れをとっている、それも平和ぼけを示すにしてもエンジンかかるのが遅すぎな気がするから、これはどうしたことかと思ってみていたのだが、本気を出すと服が破れて、新調が面倒くさいから人狼化は控えていたのだろうというとても説得力のある言い訳をいま考えてみました。

主人公の次郎は相変わらずみっともない。というか今回出番がろくにない。ただテンパってるだけ。

もう一人の主人公、ミミコさんは責任はないとはいえ、結果的に敵の手に自ら飛び込んでしまった格好、カサンドラは最初のほうで変身してたような気もしないでもないがもう思い出せません。
 小太郎はゼルマンクロックといい感じ。ゼルマンは初登場時のせこい悪役キャラは実は双子の弟なのですと思ってしまいそうなぐらい、良いあんちゃんになりました。エルダーの雰囲気皆無なところだけは首尾一貫しているといえないこともないですが。
見掛けも言動も若いのに、どこかを積み重ねてきた年月を垣間見させるような描写がすこしでもあれば奥行きがずっと増すキャラなのになあ。重要なのは血の声を聞くこと、あたりがそのつもりなのかもしれないが……。

とまあ全般に各キャラと設定の掘り下げがメインで、話はさほど進んでおりません。第十一区画とケインたちの秘密、そしてカサンドラの目的、これらが明るみに出てからが、物語的には勝負であるのだろう。それが次回か、それとももう少し後なのかはわからないけど。