第三話

今回のまとめ。

「ヘビが、ジャンボを、ジャックする!」

これを覚えていないと、テロリストの攻撃に対処できないそうです。蛇をてなづける暇があるならプラスティック爆弾を作ったほうがいい気がしますが。
 いやあしかし、大塚明夫はいい声ですね、やっぱり。そしてサミュエル・L・ジャクソンは例によって演説して見得を切るキャラなのだった(もしかして出演の基準がそれなのか?)。
しかしこのスネークフライトのCM、偶然とはいえアニメ本編の内容と無縁でないのが面白い。

どういうことかというと、蛇というと「眼力」の喩えに良く使われるキャラだから。
蛇ににらまれた蛙、のグレードアップ版が、ルルーシュににらまれた犠牲者というわけ。
しかも、それだけはない。
この作品において「眼」はどうやら重要なファクターらしいのだ。前回気持ち悪いと書いた、OPラストの眼球のぐりっとした動きなんかも、眼を強調せんがためのやりすぎ演出だし、ルルーシュは先の「眼力」だけでなく兄の「眼を撃ち抜いて」殺すし、ルルーシュが唯一嘘をつかない誓う名塚香織の妹は「眼が見えない」――いってみれば、唯一「眼」で操れない、不可侵の存在なわけである。
これらが、ストーリー上、あるいはテーマ的にどういう意味合い持ってくるのかはまだわからないが、無視していると肝心なことを見落とす可能性はあるかも知れない。
まあ、守るべき存在の象徴としての妹キャラが盲目であるとか虚弱であるとかは「うたわれるもの」のユズハの例を出すまでもなく、定番の設定であるわけだけど、あまたの定番設定から無意味にそれが選択されたと考える必要もないはずである。

 さて今回は、主人公の行動の動機が明らかになったり、赤い髪のヒロインとは、学校レベルではだましあい――操り業を使いまくってやりとりは、ますますデスノートチックですが――のライバル、テロリストとしては共闘という二重構造が確立されたり(って書いてて思ったが、もろにライトとLの組み合わせの逆転だな、これ)と、物語の素材が揃いつつあり、次回あたりで序盤の大詰めという感じだろうか。次回はどうやらキラならぬゼロなるキャラが出る(作られる)みたいだし。

ともあれ、素材としては結構面白そくなりそうなものが並びつつあるのだが、肝心要のライトがただのゴーマンくんなので、あまり見ていて楽しくありません。ただかっこつけてるだけで、ピカレスク、というほどの美学はないし(結城美知夫とまではいかずとも、間久部緑郎の爪の垢ぐらいは煎じて飲んできてほしいところ)、シャオラン似のスザクを助けるとか、変に正義の味方っぽいのもどうかと思う。あそこは「助けなきゃ」がメインではなく、「ふむそうきたか」と相手の手を読むモードにならないとあの手のキャラとしては駄目な気がする。

赤い髪のヒロインのキャラ偽装設定はけっこう楽しい。とくに、あの髪の毛は逆立っている状態と寝ている状態のどちらが本当なのかは気になるところ。
ただ、猫かぶりモードはあまり隠すつもりもなさそうだし、学校編自体いつまで続くのか判らないから、あまり意味の無い設定である可能性はあるけれど

幼馴染のヒロインのほうは今はまだあまりでしゃばっていないが、そこかしこでサブシリーズ構成の吉野弘幸が大好きな嫉妬キャラになる萌芽が見えてちと怖い。

次回の「ゼロ」の、なにやらかっこ悪いシルエットはもしかすると、OPでかぶっていた仮面とマントの組み合わせなんだろうか?