第十二話「動揺」

地味に盛り上がるクッチャケッチャ編(この国の名前、耳で聞くと面白すぎるな)。

 内容的には前回提示されたネタの掘り下げがメインで、ストーリーの進展はあまり無いが、冒頭の合戦から、オボロ対エベンクルガ、カルラ対エベンクルガと視覚的な見せ場と、作戦会議、アルルゥの手柄、エルルゥとの夜酒、とドラマパートを交錯させてあきさせない。
 バトルシーンは低予算なのが時折足を引っ張っているが、ドラマのパートはここのところのアニメでは異例なぐらいに台詞に頼らない芝居があるのがいい。

 失われた過去ネタは、結局のところ、それが何であるか、よりも、それとどう対峙するかがメインになるわけだけど、特に過去が悪人だとかだと清算の付け方は難しい。過去の自分が別人であるのはあくまで本人だけなわけで、他の人にしてみれば同じ人なわけだし、それを納得してもらうのは非常に難しい。特に感情的な問題の場合は。
 この手の話の定番の展開としては、過去のハクオロをよく知る人物が、今のハクオロは別人であると「本当に記憶がないと納得する」というイベントを通して、過去との決裂を証明するわけだがこの場合はそれはできなさそうだしね。でも、キャラ的にはエベンクルガはどう見ても味方になるキャラだから、さてどうするのか。「記憶がないからなんとも言えない」「それなら良し」とはいかないだろうしなあ。
 あるいは仮面のキャラが他にもいるとかそういう流れになるのか。

 あと些細なことだが、カルラの棍棒みたいな剣であんなふうにスパッと人を切るのは無理だと思います。