第十話「みえない壁」

第四部の続き。「竜」の本格的な登場とルーンとの再開、そして「壁」。
 ここは世界の核心が見えてくるシリーズでも重要なところ。話の進行は例によって、ダイジェストに近い流れだが、それほど無理はない(でもやっぱり倍の長さがほしい)。ルーンの裸サービスを入れる暇があるなら他のことをしろという気にもならないでもないが、細部の演出、フィリエルやアデールの細かいリアクションなんかは良い雰囲気。もっとも、大筋に関わる流れになると、どうにも段取りで動いている感を拭えないけれど。

 前回、どうなるかと書いた「竜」のデザインだが、これはけっこう珍しい輪郭の「謎の巨大生物」、それでいて古来の「あれ」とのつながりもなんとなく見えるという、なかなかにいいデザイン。
 しかし――これは本編すべてにいえることだが――作画のまずさで、これがもっとお金をかけて動かしていたら、たとえば竜の暴走の場面なんかは、不気味で迫力のあるシーンになったのではないかと思う。現状では竜の動きのみならず、兵隊の動きなんかも駄目駄目で、失笑ものでしかない。何回かまえにふれたチェスセットのデザインや、王宮のデザインなんかもそうだが、このアニメ、ビジュアルの基本設定はかなり頑張っている。キャラクターデザインだってオリジナルを尊重しつついい塩梅に華やかだ。あぶみを載せ武装させるとさらにバランスがおかしいトリウマチックなユニコーンのデザインだけはどうにかならないかと思うが

 結局すべてお金がないのが悪いのか?

 と思っていたら、それ以外にも不安事項が出来!
 なんと生きていた小平次ならぬ生きていたギロロ。WHY なぜに?! 
 もしかして、ここから独自路線? 平気なんだろうか。脚本家の前歴がとても怖い……。